リフォーム工事のレポートを始めます。

9月1日から、H邸リフォーム工事が着工します。

工事の始まりから終わりまでの様子をレポートしたいと思います。

 

着工に至るまで、大変長い時間がかかりました。途中、見積もりが予算に合わず、デザイン提案のことごとくを諦めなければならない危機的な事態もありました。ここまでこれたのは、一重にお施主さんが設計士を信じ、計画を推し進めてくれたおかげです。期待に応えるべく、最後まで、頑張りたいと思います。

 

H邸は基本的に、内外装の毛様替えとユニットバスやキッチン、トイレの水回りの入れ替えですが、部分的に間仕切りを移動したり、窓を変えたりしております。大胆なリノベーションとまでは行きませんが、印象はずいぶんと変わると思います。

左は、リフォーム後のイメージパース、右下はリフォーム前の写真です。吹抜けのある珍しい家です。デザイン的にこの吹抜けを活かしたいと思って計画しております。

 

H邸は、築後まもなく、阪神・淡路大震災にあった建物です。築年数にして25年ほど。新耐震基準以降の建物ですので、補助金の対象にはなりませんが、耐震診断しました。その上、耐震補強も計画しております。というのは、地震の影響で、壁にひび割れがあったり、床が傾いていたりしているからです。もともと、リフォームのきっかけとなったのがこの床の傾きでしたが、お施主さんが大手ハウスメーカーのリフォーム部門に問い合わせたところ、地盤沈下の修正工事を勧められ、沈下工事をした後でないとリフォーム工事ができませんと、ハードルを上げられたと言うか、断られた経緯があります。

 

地盤の傾きを是正するだけでは、問題は解決しません。再び地盤沈下しないように、安定した地盤に届くような鋼管杭を打ち込むなど、改良工事も必要となります。住まいの安全性や品質からすると耐震補強も必要でしょう。その上でのリフォームですので、予算に数百万円単位の追加費用をみておく必要があると思います。 

当初、総額900万円の予算でしたので、高額な出費が予想される家の傾きの是正工事はせず、造作のみで床の傾きを是正するという方針としました。その代わりに、リフォームついでの耐震補強を検討するということにしました。耐震補強といっても、補強後の評点や、内容によって、かかる費用も様々ですが、予算に見合う範囲のなかで、できるだけ耐震性をあげるというチャレンジをしております。