2000年より前の住宅

家の内側の壁を剥がすと、柱だけでなく、筋交いという斜めの材料があることがわかります。これは、家が地震の揺れに耐えるためのもので、非常に重要な耐力要素です。

この建物は、新耐震基準が定められたあとの建物ですので、筋交いが随所に設置されていました。しかし、筋交い金物がありませんでした。ひょっとすると外壁側にあるのかもしれませんが、部屋内側から確認できるものはありませんでした。

今回の物件では、耐震補強計画をしているのですが、その際に筋交いの存在は、このようなことことを想定し耐力要素としては見ておりません。

この筋交いがあることで、余計な剛性が生じ、家全体の偏心率(耐力要素のバランス)が崩れることもあり、撤去もしくは切断する方もいるそうです。その一方で、バランスに関わらず耐力壁や筋交いが多いほうが、倒壊しにくいというシュミレーションデーターもあるそうなので、わたしは、既存の筋交いはそのまま置いておくことにしました。